授業「ゴミ分別ルールをカードゲームで覚えるプログラム」

2004年秋、杉並区内の中学校で3回シリーズでゴミ分別をカードゲームで表現する授業を開催しました。先生からは「身近な環境を学習できるプラン」という大枠のご依頼があり、いくつか具体的な授業提案をした中でカードゲーム作りが決定し実現に至ったものです。授業内容が日々の生活に活かせるようなものにしたかった点では先生と教育コーディネーターの願いは一緒でした。地球規模での環境破壊や、温暖化といった大きな問題はそれらを実感させ、行動に結びつかせることは大変なことから、もっとも身近なゴミの捨て方から環境を意識してもらえるよう考えました。


また分別ゲームは小学生程度の子ども向けしか杉並区にはないことからも中高生や大人でも楽しめるようなものを生徒達に作って欲しいという思惑もありました。
そこでゴミの専門家「ゴミ環境ビジョン21」というNPO法人の理事・宮島氏に初回のゴミに関する講義とゲーム作りへの助言を、カード作成用の白いカードは大阪のトランプメーカーから無償でご提供頂き、ほかにもカードゲームメーカーや、TVゲームの編集者などにお願いしてハマッテしまった生徒用にヒントを寄せて頂き準備を整えました。
「カードゲームをつくる」という表向きの目標を設定しましたが、作る過程においてゴミを分別しなくてはいけなくなり、必然的に自ら分別ルールを確認することになります。NPOの宮島さんも忙しく回答役にあたっていました。もっとも認知されていないルールに家電リサイクル法があり、これだけ電気製品の恩恵をうけながら処分方法を知らない生徒が多いことにビックリしました。

ルールも自由度が高く、先生も宮島氏も不安気でしたが、紆余曲折の後、色々なゲームができあがりました。
●手持ち札に見合った捨て方カードを引くババヌキタイプ
●神経衰弱風にゴミと捨て方を揃えるもの
●読み札と取り札で分別方法を会わせるカルタタイプ
●ゴミ箱ボードにゴミカードを捨てていくもの
ほかにもいくつも楽しげなものができました。
この授業では「環境」をテーマにしましたが、いつもと違うアイデア勝負のチーム学習であったことから生徒個々の個性も生かされ、自然とリーダーシップを発揮する生徒、意見調整する生徒、得意な絵を率先して受け持つ生徒など各自の得意分野を生かしている様子をコーディネーターとして見学していて、「ああ今の子どもたちも捨てたもんじゃない!」と密かに喜んでいました。